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調査官の目線~脱税は割に合わない~

調査対象者の選定作業②

まず、調査対象者の選定の流れであるが、、、

「マルサ」はあくまでも別格として、マルサ以外の選定作業のおおまかな流れを説明すると、

調査対象者選定作業は、あくまでも「署」単位で行われる。

では、「資料調査課」や「機動官」など、署という枠にとらわれないセクションはいつどういう形で選定するのか。

あるA署を具体例として説明すると、、、

事前準備としては、

A署の全納税者から、いずれかの調査選定要素に該当する納税者を全てピックアップし、

その資料などを全て一箇所に固めておく。

ここから選定作業以下の流れで始まる。

 

①まず、A署に国税局の「資料調査課」が「選定」に訪問する。

会議室に数日間篭り、様々な角度から選定を行い、「これは」と思われる納税者をピックアップし、

国税局に持ち帰る。

まず、一番大きな不正が想定される納税者は資料調査課が先取りするのである。

 

②次は、各ブロックに配置されている「機動官」や「総合調査担当」などが、A署に訪問し、「選定」を行い、

「これは」と思われる納税者をピックアップし、自署に持ち帰る。

 

③上記①及び②の「選定」が済んだ後、署の「特調班」が調査対象者を選定

 

④上記①~③の全ての作業が終わった中から、「一般調査」担当者が選定作業を行う

 

といった流れになる。

誤解を恐れず、わかりやすく例えると、「フィルター」のようなイメージを持って頂ければOKである。
 

フィルターの目が大きい方が、大口悪質の「対象者」だけを「選定」し、「フィルター」はそれ以外の納税者

をスルーさせてしまう。
 

そして「納税者」は機動官や特別調査班という次の「フィルター」にかけられる。

 
資料調査課   機動官  特調班   一般調査
←-+------+----+------+--→
網目(=金額)が大きい             網目(=金額)が小さい

 
 
あくまでイメージであるが、こういう流れで選定作業は流れていくのである。。

次回は、選定要素である「高額悪質」に関して詳細を解説します。

 

・・・つづく。

 

 

 

調査対象者の選定作業

調査対象者の選定はどうなっているのか。

これも巷では、様々な憶測あるいは噂が飛び交っている。

参考レベルであるが調査の選定の際に考慮されることを下記に列挙してみた

 

・同業者の中で、比較的規模の大きいところ(高額重視)

・前回調査で「不正」があったところ(悪質重視)

・税務署が持っている「資料」と合わないことが見受けられる(いわゆる「資料不突合」あり)

・重要資料がある

・いわゆる「タレコミ」や一定の「風評」がある

・外観調査や内偵調査を実施した結果、申告額に疑義がある

・好況業種

・地場産業として世間に「ブランド」が認められているところ

・その他脱税の確率が高い業種

 

例えば、各国税局の記者発表資料で毎年「平成○○事務年度における法人税の課税事績」と

いうものが発表されるが、「不正発見割合の高い10業種」の上位に常にランクインしている業種など

他にも色々あるが、基本ラインは以上である。

 

では、選定作業の具体例は?

 

次回以降に「思い出話」として詳しく説明したいと思う。
 

税務調査にも色々。(一般調査編)

「調査にも色々」もいよいよ最終回。
 
今回は、通常最も遭遇する確率が高いであろう、一般調査について説明してみたい。

一般調査とは、通常、税理士(委任をしている場合)もしくは納税者(委任をしていない場合)、に

「○月×日に調査におじゃまします」と事前通知があるのが一般的である。

もちろん、料調や、特調なども事前通知を行うことがあるので事前通知があったからといって

「一般調査」と決め込むことはできない。

ところで、一般調査は担当者がどんな担当者か?が非常に鍵を握っている。

というのは、一般調査を受けた際の調査の結果は担当者の人柄や力量によるところが非常に

大きいのである。

 

例えば、、、

【経歴】

・調査経験3年目の駆け出し「事務官」

・調査が解りだして来た、5年目の「調査官」

・特別調査班などを経験し、料調に行かず一般調査に戻った 上席調査官手前の、

「油の乗り切った調査官」

・調査経験年数10数年と調査の酸いも甘いも(!?)知っている上席調査官

・退官間際で、調査への情熱が過去のものとなってしまった上席調査官

など、経歴を大分すると上記の通りとなる。

また、

【調査官の性格や考え方】

・調査が嫌い(苦手)

・正義感が強く、使命感を持っている

・気が弱い

・アウトロー

などなど。。

ここまで書けばお判りでしょうか?

誤解を恐れず書いてしまうと、

一般調査は、かなりの比率で「担当者」のアタリ・ハズレが調査を左右するのである。

「油の乗り切った調査官」×「正義感が強い」

タイプが調査に来ると、、、

不正は絶対に許してもらえないが、ミスや見解の相違には非常に寛容である。

(しかし、不正はかなりの確率で見抜く。。)

「退官間際」×「調査が嫌い」

タイプが調査に来ると、少しの間違いを見つけて、いきなり「お土産」の話になる。。

あくまでも、例えばの話であるが、以上のような具体例となる。

ロシアンルーレットではないが、「前回」は軽く終わったのに「今回」は根こそぎ追徴をされた、、

なんてことが、あたりまえの様にあるのが「一般調査」である。

 

 

次回からよくご質問頂く、「調査の対象者」とはどうやって選ぶのかに触れてみたい。。

 

 

 

 

税務調査にも色々。(機動官編)

税務調査も色々シリーズも4回目となるが、今回は「機動官」について説明したいと思う。
 


機動官という名称が、そもそもわかりにくいものであるがおおざっぱに言ってしまうと、

ひとつの署に縛られず、ブロック単位で資料収集や、調査を行う仕事を主に行う調査官のことである。

経済活動としてはごく当たり前のことであるが、A法人はA税務署管轄であり、B法人(A法人の子会社)

はB税務署の管轄、H法人(A法人の子会社)はH税務署の管轄といった場合がある。

この場合はそれぞれの署が連携を取って動かなければ法律上、調査が出来ないケースがある。

 

また、複数の署で共同して調査した場合、複数の指揮系統下では、非常に動き辛く、また、

展開も鈍くなる。

そこで、A~H署全ての質問検査権を持った調査官の存在が必要となってくる。

それが「機動官」である。

機動官は税務職員の身分証明書はA署一枚だけであるが、質問検査証はA~H署分合計8署分

持っているといった広範囲の調査が可能な身分である。

 

国税局はその管轄内をブロック化し、各ブロックの中で一番大規模な署などに機動官を配置している。

機動官はそのブロック内の各税務署の数ある納税者の中から「広範囲かつ大口・高額もしくは悪質な納税者」

をピックアップし、優先的に調査するのが仕事である。

 

B税務署の管轄の納税者に、ある日突然「A税務署の○○と申します」と、まったく管轄外の税務署の

調査官が調査に来た場合は、このパターンが考えられる。

 

では、機動官のお手並みはいかがなものか??

 

一概には言えないが、

 

    資料調査課>機動官>特別調査班

 

といった図式が当てはまる。

 

機動官は、ブロック内の各署の特調班と共同して動くが、

その事案の主担当者は機動官、副担当者は特別調査班といった形から見ても言えることである。

もちろん、機動官は資料調査課のOBや、マルサのOBもしくはそれらのタマゴで構成されており、

そのポテンシャルたるや、資料調査課と基本的に変わらない。。。

 

次回は一般調査を解説します。
  
 

税務調査にも色々。(特別調査編)

前回は国税局の資料調査課について詳しく述べたが、今回は税務署内にある特別調査班と機動官について

説明しようと思う。

特別調査班は、通常法人課税部門や個人課税部門などの賦課セクションの中の2部門に編成されている。

最近は、事前通知を行う場合も多いので、2部門の○○です、と「2部門」という単語を聞いた段階で

もしかすると、「特別調査班」(以後「特調班」)か?と警戒が必要である。

 

では、特別調査班とはどういうところか?

こちらは、端的に言ってしまうと「ミニ料調」といった言葉が当てはまる。

一般調査の部門と違って、特調班は、事前審理(=準備調査)を入念に実施し、調査着手前に、
 
 

・想定不正額

・その使途や留保先

・その他様々な情報


を事前に把握し、「不正」が想定されるので「事前通知」なしで調査に着手する。

次回、「機動官」というセクションを紹介するが、機動官や特調班が侮れないのは、前回説明した「料調」や

「マルサ」のOBがその中にチーフ格や次席で名を連ねているからである。
 
また、末席の調査官や、3席、4席の調査官は強いて言えば「料調」予備軍であり、署の中では選りすぐりの

精鋭で構成されているからである。

 

調査対象者の想定不正額や事業規模は料調よりは低くなるがポテンシャルや手法は料調と同一と

いっても過言ではない。

 

次回は「機動官編」です。

税務調査にも色々。(資料調査課)

先週は税務調査にも色々と種類があることや、 マルサについて説明を行ったが、マルサ以外の  

調査とはどんなものか?を今週以降順次解説して行きたい。 

まず、国税局の調査部であるが、 ここは資本金1億円以上の大法人の調査を主に行うセクションである。

中小企業とは少し縁のないセクションであるので ここでは説明を省略したい。   

 

では、国税局の資料調査課とはどんなところか、、 

文字通り、資料を基に「選定」と「調査」を行うセクションであるが、 

その資料は「仮借名預金」の資料から「不正取引」に関する資料等調査対象が広範で中身の濃いものばかり

である。  

 

一方、その中身の濃い資料を使う「調査官」が二流・三流では 資料も宝の持ち腐れとなってしまう。  

そう、資料調査課の「実査官(調査官とは呼ばない)」は 各税務署から選りすぐられた「精鋭」の集まりである。 

昔は、数百名の希望者から数名が選ばれたという超難関である。 

この「実査官」のポテンシャルたるや、署の調査官とは比べ物に ならない。  

資料の真贋を見抜く目 その資料を有効かつ最大限に活用する力量、調査のスピードやそのそつの無さ 

どれをとっても一流・超一流である。   

 

また、調査対象者の「選定」も並ではない。 

数ある資料と、調査対象者から、より大きな「不正」が想定される事業者をピックアップし 

事前に徹底的な下調べ(事前審理という)を行うのである。   

その精度・中身たるや、これまた驚嘆に値し、想定不正額やその使途・プール先まで調査の前に全て 

「絵」を描き終えているのである。  

資料調査課と、任意調査で比肩するセクションは はっきりいってない。   

万一、朝早くに「国税局資料調査課です」と 資料調査課が来た場合は、おとなしくその指示に従った方が 

賢明かと私は思う。   

 

次回は署の特別調査等に関して解説をします。

税務調査にも色々。(マルサ編)

さて、今回からは税務調査というものを知ってもらうことに数週間を割こうと思う。

一口に税務調査と言っても

・マルサ:査察部
・リョウチョウ:資料調査課
・トクチョウ:特別調査
・一般調査

など調査の種類は様々である。


巷で「税務調査」は恐れられているが、最も有名かつ恐れられている調査は、いわゆる「マルサ」であろう。

 

「マルサ」これって何の略でしょうか?

 

上記に示しましたが、国税局査察部のことを、業界の隠語で「マルサ」と呼ぶのである。

映画「マルサの女」であまりにも有名になってしまったため、もう隠語ではなくなってしまったが、

「マルサ」は「マルサ」である。

「マルサ」の調査は別格というよりも、次元、いや根拠法令が違う。

通常の「任意調査」は各税法が根拠法令であるが、マルサは違う。

「国税犯則取締法」略して国犯法(コッパンホウ)である。

何が違うか?

「マルサ」は「強制調査」である。

極端な話、親族の葬式であろうが、台風が来ようが、着手日(実地調査に着手する日)には数百名の

査察官で強制調査に着手する。

もちろん、「令状」も有る。

 

映画「マルサの女」は非常に実際のマルサに近いと言われており、実際ドアチェーンを切断して入ったり

するのである。

(田端は査察官になったことはないが、、、)諸先輩の話を聞く限り、映画と現実はそう違わないらしい。

もちろん、ある朝突然「国税局査察部です、ドアを開けなさい!!」と来られると怖いのであるが、

何が怖いかというと、その情報収集力である。

詳細は機密かつ田端も耳学問であるので省略するが、

裁判所に「令状」を取りに行く=証拠は挙がっているのである。

 

もう、ある朝マルサが来た段階で、青ざめても既に「遅すぎる」のである。

詳細が気になる方は、是非映画の鑑賞をオススメする。

 

・・・そして、「脱税」により、検挙され送検されるのである。

 

究極ではあるが、「脱税は割に合わない」。
 

調査の時期

さて、今回からは、巷で色々と噂されている「税務調査」に

関しての実際を書ける範囲で書いてみたいとおもう。

 

さて、調査であるが、一口に調査と言っても時期やその程度に色々とある。

まず、時期であるが、税務署は7月が人事異動となっており、「新年度」は7月から始まる。

 

調査官も人の子であるので、必ずとは言えないが「なるべく最初の方(7月~8月)に、

「いい成績を出したい」ものである。

とりわけ、「不正」が想定される事案や、「大口」の不正が想定される事案は

夏から秋にかけて調査するのが一般的である。

 

巷で、4月や5月に来る調査より、夏場の調査の方が「怖い」と言われるのは

そういう背景があることは否めないのである。。

 

脱税で会社は大きくなるのか?

さて、数回にわたり「脱税は得なの?」シリーズで色々な角度から脱税の損得を検証してみたが、

会社を大きくするには、やはり「脱税」ではなく「節税」である。

 

既に触れた通り「脱税」は

・大きな精神的負担を負う作業

・裏金はどこまで行っても裏金

・かなり高い確率で摘発される

 

ということが言えるので、やはり得策ではないと言える。

法の範囲内で「節税」を的確に行い、利益の40%を「税金」として支払えば残り60%は誰に何も

言われずに使うことも、貯めることも自由である。

 

結局、「脱税で会社は大きくならない」のである。

不正計算ソフト

好評の「脱税は得なの?」シリーズであるが今回は、「不正計算ソフト」の事例を紹介したいと思う。

 

ある業界で、「起動時に**のコマンドを実行すれば真実の集計画面が起動する」

というソフトが流通していたのであるが、あっけなく国税当局に解明されてしまったというケースがあった。

 

その経緯は、、

 

とある経営者の税務調査を行った際、

①申告と全く異なった日次集計表をPC周辺で把握(恐らく破棄し忘れであろう)

②どう見ても、同一システムで作成されたものであったため、徹底的に追及

③その経営者から「裏コマンド」の存在を知らされ不正計算ソフトの全貌を把握

④そのマニュアルを回収し、同システムを使用している全国の同業者を「資料化」

 

その後・・・

ご想像にお任せします。。

 

誰か1人でも、「チョンボ」をすれば全て終わりなのである。
 

 

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